第15章 練習試合 対音駒高校戦
『あれ?そういえば知らない顔が·····1年生?マネージャーは相変わらず入らなかったの?』
「ん、犬岡と柴山。マネージャーは、虎の顔が怖いから入って来ない。」
「ちょ!研磨ひでぇ!」
クロちゃん達の後ろにいる2人の男の子に目線を移す。
背の高い男の子と、小柄な男の子。どちらもいい人そう。
くっ付いていたクロちゃんから離れて犬岡くん達に向き直る。
『犬岡くん、柴山くん。私は烏野高校1年、男子バレー部マネージャーのです。研磨とクロちゃんの幼なじみで、ずっとお手伝いしてたから、衛輔くん達のことも知ってるんです。よろしくお願いします。』
「俺が犬岡っス。よろしくお願いしますっス!」
「柴山です、よろしくお願いします。」
犬岡くんと柴山くんが、口々によろしくと声を掛けてくれたけど、何となく様子がおかしい。目を合わせないようにしているような、変な感じ。顔に何かついているだろうか?頬に手を当てて探してみるけれど何も無い。
そして、私が首を傾げた時だった。
「ぶっひゃひゃひゃひゃひゃ!」
突然聞こえたクロちゃんの笑い声。
すぐにクロちゃんに視線を移すと、クロちゃんは私のTシャツを指さして笑っている。
「!お前どうしたんだそのTシャツ!すげぇセンスだな。」
「ちゃんて、春高でもTシャツ買ってたよな?これも買ったの?」
『これは!!先輩達がプレゼントしてくれたの!笑わないでよクロちゃん!衛輔くんも、笑い堪えてるでしょ!』
クロちゃんが相変わらずお腹を抱えて笑っている。
そんなに、そんなに笑わなくても。確かに、高嶺之花って!って私も思ったけど、でもせっかく先輩達が作ってくれたんだし。
「高嶺の花·····これ、練習試合には着ていけって言われた?」
『え?うん。研磨よくわかったね。』
「意味考えたら、なんとなくそうかなって。には手、届かないってことでしょ。」
「ぶっひゃひゃ!まぁ、やりたいことはわかったけど、俺達には効かねぇな。」
「·····虎には効いてるんじゃない?」
『え?』
すぐ近くにいる虎くんを見ると、スっと視線を外して後ずさってしまった。前からそうだけれども、やっぱり少し寂しい。
隣にいた研磨を見上げると、頭をポンポンと撫でられた。