• テキストサイズ

Gerbera~原作沿い長編~【ハイキュー】

第14章 ベンチに座るということ





コクコクと何度も頷くちゃん。
泣かせてしまってごめんね。
でも、これは必要なことだった。


スガと同じ、ベンチに座ることを諦めた訳じゃない。
今、勝つために最善だと思う道を選んだだけ。


ベッドに2人で入って、どちらともなく小さな声で話し出す。


「ちゃん、今日日向と一緒に迷子になったんだって?」


『潔子先輩、聞いたんですか?』


「ふふっ、うん。スガから聞いちゃった。」


『私、日向くんを探しに行った筈だったのに····恥ずかしいです。あ、でも、幼なじみとばったり会ったんです。』


「そうなの?凄い偶然ね。」


『はい、私も驚いちゃいました。····あっちも迷子になってて、びっくりしてました。』


「ふふっ、そう。」


取り留めのない話をお互いに話す。
ちゃんはもう、ベンチ入りの話はしなかった。
多分、彼女は気づいていた。
例え私が何を言われても、意見を変えることは無いということ。
本当に、聡い子。


その日の夜は、何時にどっちが先に寝たのかもわからないくらい沢山話して、2人とも自然に眠りに落ちていた。

虫の音も、車の音も、何も聞こえない静かな夜はこうして更けていった。




/ 224ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp