第3章 これが日常
いつものように授業を受け、いつものように1人で昼食をとる。
裏庭の誰も来ないような場所にある、他人から見れば邪魔だとしか言いようが無いような大木。
あたしはそこがこの学校で唯一好きなところだった。
誰も来ない上に、夏場は影となり天然冷房、冬場は木が風を遮ってくれてあまり寒くない。
ハンモックを設置し、音楽を聴きながら1人で昼食を食べる。
この時間が大好きだったし、この時間のために嫌いな学校に行ってると言ってもいいくらい。
『やっと1人になれた。さて、いただきます』
家ぶりに言葉を発するこの時間も好き。
1人が好きなあたしでも、ずっと声を発しないのは頭がおかしくなりそうだ。ここなら誰も聞いてないし、何を言っても周りから何か言われることもない。
『おっ、今日はオムライスか。お母さん、いつもありがとう』
好きな食べ物、オムライス。
特にお母さんの作ったオムライス。