第4章 友達
『確かにバスケ部の紫原敦は嫌い。だけどお菓子を美味しいって言ってくれた紫原は…
嫌いじゃないかも』
「…俺も、ちんのお菓子好きだよ。それに
ちん自身も」
『なっ…』
「これからもお菓子、作ってくれる?」
『…暇だったらね』
ちん。
いじめられっこのちん。
弱っちい人間だと思っていたけど、本当はそうじゃなかった。
どこにでもいる、むしろそこらへんにいる女の子よりも純粋で、女の子らしい女の子。
そして、
強い女の子。
他人にはあまり興味を示さない俺だけど、ちんは違った。
ちんの事、もっと知りたい。