第4章 友達
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「…今日はえらく機嫌が良いですね。何かあったんですか?」
『別にー?あ、そうだテツヤ。クッキー作ってきたんだけど、食べる?』
「いただきます。
…うん、美味しいです。さんは料理上手なんですね」
『そう?ありがとう』
テツヤの分まで作っておいたあたしは、テツヤの言葉にすごく心がほっこりした。
紫原からの美味しいも嬉しかったけど、やっぱりテツヤからの言葉に勝るものはない。
「そう言えば、今度の土曜日部活休みなんです。映画にでも行きませんか?」
『えっ、映画!?』
「はい。実は試写会のチケットが2枚当選したんです。僕と出掛けませんか?」
『いっ、行く!!!』
「それじゃあ10時、〇〇駅で集合しましょう」
や、やったー!友達と出掛けるなんて初めてで緊張するけど嬉しすぎる!何着て行こうかな…
って、あたし可愛い服とか持ってないかも…
どうしよう。
バイト代あまり使わないできたから、1着くらい買っても大丈夫だよね!?
放課後、あたしは久しぶりに家に帰らず街にやって来た。
帝光地区から駅で4つも遠い街へ。
学校の誰かに会おうものならめんどくさくて仕方がない。ここまで来れば大丈夫だろう。
健斗の迎えもあるからパーッと行ってパーッと帰らなきゃ。