第4章 友達
『別にあんたがどう笑おうが知らないし興味もない。それにあんたなんかと同じにされるなんて、
腹が立つ』
「腹が立つって…俺なんスよ!?
黄瀬涼太!」
『だから知らないって言ってるでしょう』
「なっ…なら教えてくれないッスか!?どうしてあの表情を学校で見せないのか!」
『…あなたってバカなのね。そんなのサルでも分かるわ。
その必要がないからよ』
「必要がない?」
『あなただって少しくらい分かるんじゃないの?
あたしは人間が大嫌いなのよ。
特にバカばかりのここの人間が』
…俺だって分かる。
見てくれやモデルという肩書きだけに群がってくる女の子は、
嫌い。
本当に欲しいのは、黒子っちや青峰っちのような、俺を黄瀬涼太として見てくれるバスケ部員のような友達や仲間。
橙乃さんはそれを分かっている。
片目だけ見えている左目から
目が離せない。