第4章 友達
『家にいたわ。話はそれだけ?じゃあね、二度と話しかけて来ないで』
「スナック橙乃」
帰ろうとしていた橙乃さんに"スナック橙乃"の名を出すと、歩くのをやめた。
そしてもう何度目かの舌打ちをする。
「やっぱり橙乃さんだったんスね、昨日のアレ」
『…おどす気?』
「他言なんてしないッスよ」
『じゃあ何が目的なわけ?』
「どうしてあんな笑い方するんスか?」
『…は?』
俺は橙乃さんの笑い方が俺にそっくりだという事を伝えた。
あれだけ女の子に笑顔を振りまいていた俺だ、変に思われるかもしれない。
けど橙乃さんは違った。