第4章 友達
黄瀬side
このクラス…いや、この帝光中学校ではいじめが起きている。
中1の頃は噂で耳にタコが出来るほど聞いていた。俺を取り巻く女の子たちがいじめをしている首謀者だったし、1日1回はその名前が出て来た。
けど、それは去年までの話。
橙乃という名前は知っていても、ただそれだけで俺には関係なかったから。
それが2年になり一気に関係が出来てしまった。
橙乃と同じクラスになった。
話に聞いていた以上にいじめの現状は酷く、俺なら確実に不登校になるレベルだった。
それなのに橙乃は気にも止めず学校に来る。
ふいに俺に話を振られて焦ってしまった。その時のあの俺の一言が彼女の運命を決めてしまうとなると…
「迂闊な事言えないんスよねー。けどクラスにも俺のポジションってものがあるッスから、それこそ迂闊な手助け出来ないし…」
「…なんで俺に言うわけー?」
「何でって…
同じクラスメイトじゃないッスか!紫原っちは気にならないんスか?」
「だって俺には関係ないしー」
「関係ないって…まぁ紫っちはそうッスよね。黒子っちはどう思うッスか?橙乃の事、知ってるッスよね?」
「僕は…」
「休憩は終わりだ。早く練習を再開するぞ」
「あ、はいッス!ほら、黒子っちも行くッスよ!」
黒子っちの意見も聞きたかったけど、赤司っちに呼ばれたら行くしかない。
そこまで橙乃に興味があるわけでもないし、練習量5倍になるなんてまっぴらごめんだ。