第4章 友達
黒子side
さんは本当に愉快そうに笑う。僕が見てきた約半年間の中でさんが笑った姿なんて
1度も見た事が無かった。
それが僕の前で見られるなんて凄く嬉しいです。それに…
「笑ってた方がとても可愛らしいですよ」
『はっ!?』
「やはり女の子には1番笑顔が似合います」
『黒子テツヤってやっぱ変だよね』
「やはり、ですか?」
『だってあたしなんかと友達になりたいって言ったんだよ?
変に決まってるじゃん』
さんは嬉しそうな、だけど哀しそうな顔で言う。前髪で隠れた右目からは表情が見えない。
それより僕は隠れている右目を見た事がない。
「さん、前髪切ったらどうですか?せっかく可愛い顔をしt」
『絶対、嫌』
「…え?」
『嫌なものは嫌なの。いくら黒子テツヤでも、こればかりは譲れない』
「…分かりました。それより、黒子テツヤじゃなくてテツヤって呼んでくださいよ」
『…テツヤ?』
「よくできました。そろそろ戻りましょう。もう昼休みも終わってしまいます」