第4章 友達
黒子テツヤはどうやら隣のクラスらしい。部活をやってるみたいだけど、聞かなかった。
見るからに貧弱そうだし、どうせ文化部だろう。
それなら関係ない。
それより…
友達なんて初めてできたものだから、何を話せばいいか分からない。黒子テツヤも自ら話そうとはしないらしく、隣で本を読みだした。
どうしよう、何か話した方がいいのかな。
けど他人のためになぜそこまでしなくてはいけないのか。
何よりあんなあほ女たちのように取り繕ってまでこの関係を続けたいとも思わない。
だけどもし黒子テツヤがそれを望んでいたとしたら…
「さん」
『へっ!?』
「無理に考えなくてもいいですよ。僕もあまり人とのコミュニケーションは上手くありませんし、さんの性格も分かってるつもりですから」
『…あたしの性格?』
「はい。実を言うと僕がさんに興味を持ったのは1年の秋頃です。
それからずっとさんの事を観察してましたから」
だからこの場所もすぐに分かったと黒子テツヤは言う。
こういう時どういった言葉をかければいいのか分からないあたしは、思ってない言葉を口にする事しか出来ない。
『…ストーカーかっての』
「そうですね」
『否定しなよ』
「事実ですから」
『…ぷっ!あはははっ!!!!』
「!?」
あたしは可笑しくなって
久しぶりに笑った。