第1章 始まり
~バルバット近郊~
「やあ、君たち!
今日はいい天気だね。」
幼い少年と少女の前に現れたのは葉っぱ1枚しか身につけていない成人男性であった。
「服を貸してくれてありがとうアラジン!」
「うん!僕の小さい服しかなくてごめんよ。」
少年アラジンと少女モルジアナ、そしてキケンなもの、基、シンは直ぐに打ち解けていた。
冒険という事に深く思い入れのあるシンはそれがどんなにいいものかを説いた。
「へぇ、いいですね、冒険とは危険だけが付き物じゃないんですね。」
「!?」
ガサっと草むらから出てきたのは20歳前後位の美人な女性だった。
「うわあ!綺麗なおねいさん!」
「!?」
そしてその豊満な胸に遠慮なく抱きつくアラジン。
女性があたふたしてる中モルジアナは、気配に気づかなかった事に動揺していた。
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「はい、私はと言います。ちょっとした旅をしている者です。」
「君のような子が1人で旅に?」
「ええ、はい。まぁ、こう見えても私、それなりに強いので...。」
「...よくないな。君みたいな可憐な子は旅に出るのも大切だけど、家にいた方が良いことだってある。」
キラキラしたオーラを出しながらの手を取ってシンはそう言った。
「は、はぁ...」
「...あの、バルバットへ急ぎませんか?
今日中に着かないと...」
「おっとすまないねモルジアナ!」
そうしてこの4人は一緒にバルバットへ行くことになった。
「ねぇ、バルバットはまだかな?」
「その丘を下れば街が見えるよ。」
「え~?みえないよ?」
シンの指さす方向を見て唸るアラジン。それを横目にモルジアナはクンクンと匂いを嗅ぐ。
「潮の香りがします...」
それを聞くや否やアラジンは丘をかけていった。
「にしてもはいいのかい?俺達と一緒にバルバットへ行って。」
「はい。適当にその辺を放浪していたので、街に行けるのは嬉しいです。」
「...そうか。ならいいんだが。」
「ねぇ!おじさんもおねえさんも見てみて!」
アラジンに促されそちらに向かう。
「ここがバルバット」