第1章 初めての玩具【サンジ:裏】
「おーい、ちゃーん♡」
大好きな彼女の名前を呼ぶと、俺に気づいて大きく手を振り走って近づいてきてくれる。
そんな一つ一つの動作に、俺は愛おしさを感じるんだ。
船の食材が少なくなってきたので、近くの島に停泊する事になった。
買い出しは勿論、野郎達と一緒に歩くのは嫌なので、どうしてもとナミさんにお願いして、とペアにしてもらい、町でデートの最中だ。
「何か良いものはあったかい?」
「うん!でも、いいなって思った食材は、全部サンジが買ってたから!」
「じゃあ、今夜はスペシャルメニューにしないとな!」
「本当!?凄く楽しみにしてる♡」
か、可愛い……!
の隣を歩いているだけで幸せな気持ちになる。
このまま時が止まってしまえばいいのに……!
そんな願いも虚しく、数分後にはサニー号が見えてくる。
ふと船が止まる脇を見ると、小さな箱が置いてあるのが目に入る。
「何だアレは……。」
船を降りるときには気付かなかったが、明らかに怪しい。
箱の存在にも気付いた様子だ。
「ちゃん、ここでちょっと待ってて。」
「う、うん……。」
下手に蹴っ飛ばして爆発されても船が危ない。
箱にそっと近づき、恐る恐る蓋をあける。
「なっ……‼︎」
蓋を開けると、中には大量の所謂大人の玩具が入っていた。
「何でこんな物が、こんな所に!?」
想像していた危険物では無く安心したが
"サンジ…?大丈夫…!?"と、遠くからが心配そうに呼ぶ声が聞こえる。
海に捨てる訳にはいかねーし、このままここに置いていても、後で気になったが見てしまうかもしれない……。
後から船に戻った来るナミさんとロビンちゃんの目に触れても……!
あぁー、ダメだダメだ!
俺は意を決して、箱を持ち上げ、の元に戻る。
「サ、サンジ、それ、大丈夫なの……?」
「あ、あぁ……ちょっと気になる物が入っててな」
「気になる物……?」
「そ、それより、早く食材を冷蔵庫に入れないと。ちゃん、早く船に戻ろうぜ」
俺とは何事もなかった様に船に戻った。