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【ハイキュー!!】甘い悪魔に唆された

第6章 知ってましたよ、そんなこと


「センパイ?戻らないんですか?」
「あ、戻るよ。
でもちょっとお手洗い行って来るから、先に3人で遊んでて」
「分かりました!あの、センパイ……」
「ん?」
「センパイって木兎先輩と、付き合ってるんですよね?」


なんで今聞いて来るの?
嘘なのがバレた?
恋人同士に見えない?
赤葦が好きって気づかれた?


「うん、付き合ってるよ」
「えへへ、そうですよね!
ごめんなさい、変なこと聞いて」


3人で待ってますね、と背中を向けるナナちゃん。
一瞬複雑そうな顔になったのは、なぜ?
端っこにあるベンチに、膝を抱え込んで座る。
もう、ダメだなぁ……。
光太郎のこと利用して、2人の仲を引っ掻き回して。


「……なかったことにしたい」
「何をですか?」
「何って、そんなの全部に決まってるでしょ。
赤葦のこと好きなのも、光太郎のこと利用したのもぜん……ぶ……」


返って来る筈のない言葉。
思わず返してしまった言葉に驚いて、勢い良く顔を上げた。


「あ、赤葦!?
ごめん、今のはその……」
「戻りが遅いので見に来ました。
それより、さっきのは本当ですか?」


真っ直ぐ見つめる目。
この目は、嘘をつくことを許してはくれない。


「……そうよ。
だからナナちゃんとの仲を引き裂こうとしたの。
最低でしょ?」


冗談っぽく、笑って言う。
じゃないと涙が溢れてしまいそうで。


「……」


赤葦は、やっぱり怒った顔をしてる。
そりゃそうだよね。
彼女と別れさせようとした相手に良い思いなんてする訳ないし。


「もう諦めたから、気にしないで!
今日は光太郎連れて退散するから2人でごゆっくり」


いたたまれなくて、足早にその場を去った。
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