第12章 ゲーム
京治の身体の至る所にキスを落としていく。
他の人に触られたところを消毒するように。
「じゃあ次は俺の番だね。ほら、服脱いで」
京治に促されて、下着姿になる。
何度見られても恥ずかしいのは変わらない。
「他の人に触られたところ全部上書きしなきゃね」
そう言いながら耳に舌を這わせる。
唾液でたっぷり濡れた舌がいやらしい水音を立てる。
耳は司令で黒尾さんに舐められている。
その時のあまりにエッチな舌の動きに声が漏れちゃったのは秘密。
「いつもよりビクビクしてる」
楽しそうに耳に歯を立て、今度は首筋にキスを落とす。
「まっ、首は触られてな……」
「孤爪の首噛んだでしょ」
「そうだけど私は何もされてないよ?」
「そういう問題じゃありません。
俺もまだ噛んで貰ったことないのに、最初が孤爪とかどれだけ俺を妬かせる気ですか」
ほら、噛んで。
そう首筋を近づけられる。
京治の首筋は意外と太く血管が少し見える。
でも噛んだら痛そうで、少しだけ歯を当てるだけで済ませた。
「そんなんじゃダメです。
孤爪のはちゃんと歯型が残ってた。
俺にもそのぐらい強く噛み付いて、痛くても良いから。
なんなら孤爪よりも強く、ね?」
顔を首筋まで持って行かれ、催促される。
孤爪くんより強くって血が出ちゃわないかな。
痕残ったら学校でも気まずいだろうし、何より部活の時に恥ずかしい。
「早く」
「し、失礼します」
覚悟を決めてガブリと強く噛んだ。
噛んだと同時に小さく震える京治、身体。
離れようとする私を固定し、更に歯を押し当てさせる。
「ンン……や、痕残っちゃ」
「良い、残して。
夏美さんのものってシルシ、もっと沢山。
俺を満たしてください」
京治の言葉に、もう少しだけ強く歯を立てた。