第3章 約束
今まで、才蔵さんから 激しく身体を求められる事はあっても
慣れないわたしを、才蔵さんが何処か、気遣う様に扱ってくれていた事に、わたしは、気付いていた。
才蔵さんは、自分の着物を脱ぎ捨てながら、わたしに荒く口付ける。
「もっと、口開けて」
才蔵さんは、劣情を孕んだ低い声で言った。
わたしが抗う事も出来ずに才蔵さんの熱い舌を口内に受け入れると、才蔵さんの熱い舌がわたしの舌を絡め取り激しく口内をまさぐる。
才蔵さんの口付けは、噛み付く様に激しい癖に、深い部分では、熱くて、甘い。
何度も角度を変えた口付けが 熱さを増して降って来る。
才蔵さんの長い指先が わたし首筋をつーっとなぞった時、
わたしの身体がビクンと波打つ。
「俺を もっと覚えさせるよ。お前さんの身体に」
そう言って、
才蔵さんは 再びわたしの口を荒々しく塞いで吸い上げる。
才蔵さんの長い指先が、わたしの身体をゆっくりとなぞって、甘い刺激を与えてゆく。
けれども、徹底的な刺激は決して与えてくれない才蔵さんの指先。
そして、それを、楽しむかの様に、才蔵さんの指先は、欲しい部分への刺激のほんの際をなぞって、滑り続ける。
わたしは、我慢出来ずに、才蔵さんの首に腕を絡ませた。
「ねえ。お前さんが、今して欲しい事言って。じゃないとしてあげない」
「才蔵さんは、意地悪です....!」
「だから?返事になってないけど」
そう言いながらも、才蔵さんは、わたしの身体を長い指でじりじりと攻め立てる。決して、熱く甘い部分は触らずに。
「才蔵さんに、触れて欲しいです......」
「どこを?」
身体中が熱くなる程の羞恥で、才蔵さんを見上げると 才蔵さんは、一瞬だけ ふっと笑った。
才蔵さんの長い指先が、やっと、わたしの欲しかった場所へと伸びて ゆっくりと指が割って入り、掻き回される。
「ここでしょ?............熱いね、いつもより」
そう言うと、才蔵さんの指使いがどんどん、激しくなってゆく。
「っ!.........あっ..........ん..........!!」
わたしの唇から、甘い吐息が零れた。
「ねぇ お前 声、我慢せずに出してよ。その方が燃えるから」
「あっ..........才蔵さん...」