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才蔵さんとかんざし【天下統一恋の乱】改訂版

第2章 口付け




「うーん、やっぱり才蔵さん怒ってるよね。このかんざしに焼きもち妬いているのかな?」


(いつも飄々としてる才蔵さんが、信玄様に嫉妬してると思うと、才蔵さんには悪いけども嬉しいな)

そう思うと自然に頬が緩んで、ふふっと笑ってしまう。


「ふーん、嬉しそうだね」


声のした方を振り返ると、才蔵さんが、わたしの頭を見下ろしている。


「才蔵さん!」


「お前さんは、いつまでたっても、男の気持ちが分からない馬鹿だね」


「馬鹿って、そこまで言う事ないじゃないですか!」

わたしも、売り言葉に買い言葉で
ムッとして言い返す。

すると、才蔵さんは、さっとわたしの髪に刺さったかんざしを抜き取ると
懐にしまってしまった。


「え!?才蔵さん それは、信玄様に頂いた大切な、、、」


「無くしたって言えばいいでしょ」


「そんな、才蔵さん、、、」


わたしの言葉が言い終わらないうちに、才蔵さんに、口付けられる。

!!

目を瞑る暇も無くて、目を見瞬いているわたしに、才蔵さんは言った。

「俺の顔見ながら、接吻したいわけ?」

「いえ、、、そんな、、、、」


わたしが恥ずかしさで俯くと、才蔵さんは、掠れた低い声でわたしの耳元で囁いた。


「今日は、眠れないかもよ。お前さんは」


そう言って才蔵さんにされた口付けは、いつもよりも、荒々しい。


「ふっ...........あ............」


息をつく暇もなくて 口を離そうとすると、ぐっとわたしの頭を押さえられる。



その時 廊下をバタバタ走って来る音がした。


!!!!


ハッと、目を開けると、才蔵さんの肩越しに、幸村様と佐助君が居た!


「す、す、すまん。お、お、俺は別に、お、お前らの接吻を、の、の、覗きに来た訳では、な、な、ないぞ、才蔵!」


顔を耳まで真っ赤にした幸村様と、その横で、やっぱり顔を真っ赤にしてる佐助くん。

才蔵さんは、わたしから唇を離して、はぁっとため息をつくと、
幸村様の方を振り返って言った。

「幸村は、暇なら、佐助と接吻の鍛錬でもして来たら」


「な!!!何を言ってる才蔵!
俺は、佐助とせ、せ、せ、接吻の鍛錬なんかせんぞ!」


「.はいはい」


「行くよ」



そう言って、才蔵さんは、わたしの手を握りさっさと
縁側を後にするのだった。


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