【文スト】ボタンを押したら飛んじゃった【wrwrd】
第6章 1.05 対面
「だから間に合った訳だ。普段の俺ならあれは無理だったろうなって思ってたんだよね。」
ひとらんらんは納得したように呟くとマスクのズレを直した。
「もしポートマフィアがこの事を知れば、間違いなく攻めてくるでしょうね。」
太宰は話を聞くとそう言った。
その言葉に敦と他の面々に緊張が走る。
「それは此方としてはとても困ります。なんせこちらの戦力は15名です。それに、全員が戦闘要員という訳でもありません。…ですが…。」
グルッペンはそう言うと、オスマンに目を向けた。
それに気付いたオスマンは、“やっぱりすんの?”と言う様に眉を顰めた。
「…ポートマフィアに、外交に行こうかと。」
そうグルッペンが言うと、太宰と敦はポカンとする。
そしてすぐに太宰は声を上げて笑った。
「ポートマフィアに外交。成程、それは面白い。…ですが、向こうの首領は非効率的な事が嫌いです。その事を踏まえて外交が可能なのですか?」
太宰は尚も笑いながら尋ねた。
「うちの外交官は有能ですから。その辺については心配しておりません。…ただ、外交に行こうにもツテがない。彼処は我々と対面した際には問答無用で攻撃を仕掛けてくるでしょう。そうなれば、外交以前の問題です。」
グルッペンはそう言うと、太宰の目を見た。
それに太宰は諦めたように笑う。
「そういう事ですか…。…分かりました。何とか話し合いが出来ないか、掛け合ってみましょう。」
太宰のその言葉に、グルッペンはニヤリと笑い“感謝します”と答えた。
「我々が聞きたいこと、話したい事は以上です。其方はまだ何かございますか?」
グルッペンが尋ねると太宰は杏へと視線を向けた。
「彼女に幾つか尋ねたいことがあるのですが、この場を借りても?」
太宰の言葉に杏は表情を固くする。
「ええ。構いませんよ。…我々は席を外した方がよろしいか?」
グルッペンは太宰と杏に視線を向けた。
それに、太宰は杏に答えを委ねるように杏を見る。
「何を聞かれるのか分かりませんが…だ、大丈夫です…!」
杏の答えを聞いて、太宰は質問を始めた。
「君の作ったボタンについて聞きたいんだけど、どうやって作ったんだい?」