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夢の続き【アイナナ】

第6章 壮五夢(シンガーソングライター)


放っておくわけにも、環くんを呼び出すわけにも行かなくて、タクシーで自宅に連れて帰った。

「さすがに担げませんからねー!肩かすんで、歩いて下さいねっ」
「ふぁい!」
「よろしい!」

部屋について、玄関先でドサッと倒れ、眠りこけてしまった。
「はあ、もうここで置いとけばいいかな…?これ以上運べないっ」
ブランケットを持ってきて、ふわり、と掛ける。
あどけない寝顔だった。思わず、そっと髪を撫でた。

それにしても、お酒飲む前には、想像出来ないな。
きっと普段気を使ってる人で、酔うと本音がでるのかな。そうぼんやり思っていたら、逢坂さんが、微かに目を開けた。

私の後頭部に、手を回された、と思ったら情熱的なキスが降ってきた。
「え…!ちょっ…逢坂さん…?」
「ん…気持ちいいから、もっとしたい」
「な、な、なに…?」
間髪入れず、またキスされた。
意外…け、結構キスうまい…。
お酒で火照ったキス、不本意だけど気持ちいいと私も思ってしまった。

(いや、でも、このままなし崩しに…は、さすがにまずい!)
「お、逢坂さん!」おもいっきり押し返す。
再び彼は、すよすよと玄関で、寝てしまっていた。
(やれやれ…予想外だよ逢坂さん)

翌朝ー…

「こ、ここは…?」
「お目覚めですか、壮五王子」
腕をくんで、見下ろす。
「え!?夢美さん?ここは…あ…頭いた…」
「私の自宅の玄関ですよ」
その瞬間、全て察知したようだった。

「うわあああ、本当にスミマセンでした…!何も覚えてなくてっっ大変ご迷惑をおかけしました」
「ふふ、いいですよ、面白かったから」
「何か、し、失礼なことしてないでしょうか…」
「んー大丈夫です。」
「ほっ、良かった…」
「ところで、逢坂さん、見かけによらずキス上手いんですね?」
「!!!」
みるみるうちに、真っ青になる逢坂さん。

「ほ、ほんとになんとお詫びすればいいのか、な、なんでもします…ほんとにほんと…ごめんなさい…」
「んー、じゃあお詫びにシラフでキスしてくれたら、許します。」
「えええ!?……わ、…わかりました…」
今度は真っ赤になって、照れてる。

それから、ぎこちなく肩をだいて、口づけた。
やっぱり、この人のキスは、気持ちいいとおもった。



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