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愛玩彼女

第6章 俺様暴君にご用心!?


「…………嘘」



「残念、ほんと」
「観念しろ、今さら」





知ってた。
わかってたし、理解してたつもりではいたんだよ。
この人たち、ただのボンボンなんかじゃないって。
住んでるところもさながら、金銭感覚も桁外れにずれてるし。
やることなすこと、突拍子ないし。
だけどこれはさすがに。



ないわ。





「ねぇねぇみてみて。みか、お姫さまみたい?」
「みかちゃん、みたい、じゃなくて本物のお姫さまだよ?」
「えー?透くんほんと??」
「ほんとほんと」
「幼稚園児まで、手広くやってんなー、お前」
「はは、年齢制限はもうけてないや」
「……否定してほしかったわ、そこは」
「みかちゃん、あっちにいっぱいケーキもあるよ?」
「ほんとー??行く行くー」
「みか、走んな待てって」
「雷斗くん、よろしくねー」





まるでほんとのお姫さまみたいにピンクのキラキラドレスを着せて貰えたみかは上機嫌。
妹大好きな兄ふたりも、そんなみかのテンションにつられて上機嫌だし。
ただひとり。
一番上の長女だけ、たぶん顔面蒼白だ。



「今さら戻れないってば」
「あきらめ悪いやつだなお前」


「………」







所謂船上パーティー真っ只中。
いきなりドレス着せられて、やたらでっかいふかふかの真っ黒な車に乗せられるがまま連れてこられたのはまさかの豪華にもでっかいクルーザー。
テレビでよくみる芸能人だとか、お偉い堅物そうなおじさまとか、どこそこの社長さんだとか。
世論に疎いあたしでも名前や顔を見たことあるような面々で。
そんな中。
勿体なくもあたしは、この超絶美形双子をエスコートに従えて登場してしまったわけだ。


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