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愛玩彼女

第5章 『斗真』と『透』


「あはは、いい子だねー、ライ」

「透っ」


頭に乗っけていた腕を肩へと回され、後ろから抱きすくめられるように体が密着した。
しかも。
腰のあたりになんか当たるし。


「絶倫すぎでしょ、あたし無理っ」
「誉めてんの?それ、ありがとー。さすがにね、しないよもう。ライちゃん壊さないから大丈夫」
「…………」
「して欲しいなら、するよ?」
「あ、違うの。本来ならあたしに拒否権ないのになぁって」
「なんで?辛いのは女の子なんだから、拒否権あるでしょ。大事にしなよ」


「……うん」


「それにふたりでしても面白くないし」

「………」


そ、そーなのか。
確かに斗真が見てないところで透としたことないかも。
逆、は、何度かあるのに。





「透は、なんで斗真と共有したいの?」



あれ。
あたしなんか、変なこと言ったかな。
一瞬顔色、変わったような気がしたけど。


「斗真が好きだからかな」


「え?」


「ライちゃんも、斗真も大好きだから、俺」


「………」


うまく誤魔化された感が否めないけど。
顔色変わったのも気のせいかもしれないし。
今向けられてる笑顔は、いつものそれとおんなじだし。


「そっか」
「うん」


ぶくぶくぶく、って。
広い浴槽の中、口までお湯に浸かって。
なんにも気付かないふり、してみたりして。





『斗真』と『透』。
やっぱりよく、わかんない。
あたしは全然、ふたりのことをわかってなんかないんだなぁ、とか。
改めて、実感した。
                  


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