第5章 『斗真』と『透』
「あーあ、トロッットロな顔しちゃって。俺ん時より悦さそうじゃない?まじ妬けんだけど」
そのまま力任せに顎から上を向かされ重なる唇。
「……ふ、んぅ、んん」
後ろからは、気持ちいいところを的確に突かれて。
前からは、胸の突起やしびれるくらいに熟れた下の突起を、透が楽し気に弄ぶ。
「___ッッ!!」
もう。
なんにも考えらんない。
気持ちよくて。
吐息も。
荒い息遣いも。
腰を打ち付ける乾いた音も。
そこから溢れでる卑猥な水音も。
なにもかもが。
身体を熱くする。
このまま、溶けてなくなるような。
チョコレートみたいにどろどろに溶かされた身体はもう、彼等なしではいられないんだ。
熱くて。
苦しくて。
____気持ちいい……っ。
「は……っ、は、はぁ……っ」
お互い荒く呼吸を乱して。
それぞれにゴロン、て身体を横たえる。
もうすでに、指先一本、動かす余力さえ残っていない。
「シャワー、浴びたい」
「浴びれば」
「………連れてって」
裸だとか、恥ずかしいとか。
なんかもうそーゆーの、感じてる余裕すらなくて。
ただベトベトした身体が気持ち悪い。
「……侍従関係間違ってね、それ」
「奴隷契約してないもん」
「侍従、よりは愛人契約、だよね」
「うん」
愛人契約、も引っ掛かると言えば引っ掛かるけども。
この際、いい。
しゃべるのも億劫だ。
「だから、抱っこ」
「姫かよ、お前」
「動かない、痛い、だるい、重い」
「…………」
「責任、とって」
散々焦らしまくって放置したのはこれを、予想出来たからでしょ。
全部全部ふたりの罠に嵌まってるんだ、あたしは。
だから。
「シャワー」
いいでしょう?
このくらい。