第18章 番外編 『仲良し』(後編)
「……も、むり…、もぉやだぁ……っ」
指先1本、動かない。
息するのでさえすごくしんどい。
「ひ………っ、ぅぅぅ……っ」
なのに。
目の前の双子は全然容赦なんてしてくれない。
今度は正面から、ぐったりと斗真の膝の上に倒れこむあたしを、透が貫くんだ。
「や……っ、ぁ、あ、っんっぁああっっ」
「やだやだあんま言わない、ライちゃん。キミ虐めたくなる顔と声、してんだからさ」
「し、らな……っ、ぁああ…っ」
ぐぐぐ、って。
腰を推し進める透にぞくぞくと駆け上がる快楽への道。
逃げようと腰を引きたくても、頭は斗真の膝に乗っかってるため叶わない。
「諦めろって。勝負は勝負だろ」
「んく……っ、ん、んん…っ」
そのまま覆い被さるように斗真の唇が重なった。
「や、め……っ、ぅぅんんん……っ、ぁああっ」
唇が離れても、それはすぐに胸へと降りていき。
さらには透のスピードまで上がる。
「いやぁ……っ、やだやだやだぁ……っ」
「來のやだは『いい』の意味だもんな」
「なかすごいよ?斗真と俺のが混じってすごいやらしい感じ。突く度に溢れてくる」
「や、らぁ……っ」
もう口を閉じる気力さえなくて。
開きっぱなしの口からは甘い喘ぎが止まらない。
呂律まで、あやふやだ。
「とーる…っ、とーまぁ……っ」
もう、いい。
わけわかんなくて、いい。
このまま境界線があやふやになるくらいまで重なって。
チョコレートみたいにどろどろに溶けるのも悪くない。
悪くない。
「……っき、すき、なの…っ」
目の前にある斗真の頬へと、手を伸ばす。
「おかしく、して………っ」
この感覚だけを、追っていたい。
ふたりからもらえるこの幸せ。
これだけ、で、いい。
「とー、ま……っ」
「………っ」
「ライちゃん……っ」
ぐい、って。
透に腕を引かれれば。
形勢逆転。
あたしが透を押し倒す形と、なる。
「………慣らしてないから、いてぇ、かも」