第18章 番外編 『仲良し』(後編)
「や……っ!?」
指先だけに集中していた中、いきなり襲った生ぬるい感触に体は大袈裟に反応を示す。
片方は、指先が先端へと触れるか触れないかのギリギリの触れ方をして。
片方は、執拗に舌先を使って吸い付き、転がし、時には甘噛みして。
まるで反応を楽しんでいるかのように。
「………んっ」
こんなの、わかんない。
「………どっち?」
先端から唇を離したタイミングで、聞こえた声。
指先の刺激は、未だ続けられたままだ。
「良く考えて、どっち?」
「………わ、かん、な……っ」
「それが答え?」
「………っ」
触れるか、触れないか、の。
ギリギリの触れ方。
焦らし、方。
「………とー、る」
「正解」
「………うそ…っ」
先端から離された唇は、指先とは反対にゆっくりと、下がっていく。
お臍を直に舐められれば。
体はびくん、と、弓なりに反れる。
そんな反応に気をよくしたのか、執拗に、お臍を舐めまわしていく、どちらか。
わかんない。
こんなことされたことなんて、ないし。
わかるわけないじゃん。
「も、……っ、や、だぁ」
目は見えないし、手の自由も奪われた。
不自由なその身体は、勝手にいつもより熱を帯びていって。
全身が性感帯にでもなったみたいに。
どこからくるかわからない刺激に、いつも以上に感覚が研ぎ澄まされる。
「降参?」
ふ、て。
笑う、気配。
自信満々、な。
「とーま」
声の主が斗真なら、さっき一瞬声がした時お臍に息が吹き掛けられた。
絶対、斗真だ。
「………正解」
安堵したのも束の間。
どちらのものかもわからない指先や唇は、さらに下へと、下がっていく。
ギクリと身構え、両足に力を入れれば。
それでも所詮男の力などに敵うはずもなく。
簡単に晒されたのは、たぶんすでにその役割を果たしてないだろう、下着で。
指先で下着の上から割れ目をなぞられるだけで、ぐちゅ、と嫌な音が響く。
「感度、やば」