第16章 契約、更新
そのまま、ずるずると腰を引っ張られ、気付けば両足が床へとくっついた。
両腕は、透の腕へと捕まったまま。
「………っ」
ちょ、っとこれはこれで、恥ずかしいかも。
「と………っ、っまっ!?」
さすがに抗議しようと上体を起こそうと、すれば。
スカートの中から直に、下着の中へと指先が沈む。
「ひぁ……っ!?」
さらにそのまま指先は、あたしを奥まで貫いたのだ。
「なんだかんだいって、準備出来てんじゃんお前」
「ち、が……っ、やぁ、やだそれ、そこ、いぁぁっ」
すごくいやらしい音を立てながら行き来する指先は、あたしの弱点なんてすべて知り尽くされちゃってる斗真の指、なわけで。
逃げようとしても今現在、あたしがしがみついちゃってるのは後ろから指で散々あたしを犯す男の弟な、わけで。
「………ライちゃん、こっち」
瞳を潤ませて恍惚の表情を浮かべる彼から、彼らから。
逃げられるわけなんてないのだ。
「ん、ふぅ、んん……っ」
後ろから、斗真に貫かれたままに。
口に含むのは透のもの。
ベッドに腰掛ける透へとしがみついてないと、気を抜けば一気にたぶん膝が折れてしまう。
今までこんな風に後ろから、と、口に含みながら、は何度かした。
した、けど。
こんな風に立ちながら、とかなくて。
激しく揺さぶられても床についてるのは2本の足底だけで。
不安定な立ち位置が余計に疲労感とやらを連れてくる。
「ずいぶん懐いてくるようになったよな、お前の中」
「そう、うまくなってきたよねライちゃん」
口に含みながら、頭に置かれた透の暖かい掌が優しくて、自分でも斗真を締め付けてるのがよく、わかる。
「………っと、まじイラつく」
「!?」
ぐい、と。
右手を引っ張られれば。
右手についてきた上半身が、反り返る。
「や、ぅそ……っ、ぁああっッッ」
そしてそれはさらに最奥へと、斗真を導くのだ。
「大人げないよね、お兄ちゃんは。大丈夫?ライちゃん」
「すっげー絡むな、來、いい?」