第15章 ゲームオーバー
だから。
「そばにいたい。お金のためとかじゃなくて、小さなあの子たちのためとかじゃなくて。あたし、ふたりと一緒にいたい」
「…………」
好き。
見つめられると痛いくらいにドキドキして。
目を反らされればやっぱり胸が張り裂けそうに痛い。
笑顔を見たら。
1日頑張れたり。
誰かに優しくしたくなる。
会えなければ。
1日ずっと、曇り空。
「初めて会った、あの日から。名前を呼ばれたあの瞬間から。あたしふたりが大好きだったんだよ」
「うん」
「この掌の温もり知った日から、あたしはたぶんもう、ふたりなしじゃ生きていけない」
ふたりの掌をとって、頬に擦り寄せる。
「大好き。愛してる」
どちらか1人かけても、だめなんだ。
ふたりがいい。
ふたりじゃないと、嫌だ。
「……すっげ、わがまま」
「いい」
わがままで、いい。
決めたの。
覚悟。
好きな人はひとり、なんて。
誰が決めたの?
あたしはふたりが欲しい。
誰に、世間に、なんて言われたって構わない。
「安心しろよ」
「………一生離してあげるつもり、ないから」
「…………うん」