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愛玩彼女

第13章 アイスキャンディ


嘘、でしょ。
自分で、って、自分で?


無理。
絶対、無理っ。


斗真の肩へと両手を置きながら、頭をぶんぶんと振れば。


頭のてっぺんに押さえつけるように置かれた斗真の右手。

「大丈夫だから」
「それにライちゃんもしたいでしょ?体疼いてない?」

「……っ、とーる…っ」


斗真を跨ぐように透も膝たちのまま、唇が奪われて。
透の右手は胸の突起を。
左手は、下腹部の突起を、弄ぶ。


「…っぁんっ、やぁ」


指の腹で捏ね回すように触れられた、右胸、と。
左の胸は斗真に吸い付かれて甘噛みされて。
かと思えば斗真の唇は、首筋、肩へと吸い付き赤い華を散らしていく。


「……っぁああっっ……ぅ、ぁ」


他方向から襲い来る刺激に力が抜けて、膝が震える。
震えた先に待ちかまえるのは斗真の熱く滾る塊で。
ガクン、と折れた膝に一気に力を入れて体勢を立て直した。


「は……っ、ぁ、あ、ぅ」


「ちゃんと力、入れてろよ?」




その様子を傍観した斗真の、意味深な笑顔。
悪戯を思い付いた子供のように目元と口角を上げて。


「透」


あたしを通り越して後ろの透へと、なにやら視線を向けた。

「あーやだやだ。すーぐそーやってライちゃん苛めるんだから」
「苛めてほしそーな顔すんだもん」
「………否定しないけど。……っとライちゃん、ごめんね?斗真変なスイッチ入っちゃったみたいでさ」

「ぇ」


何。
急に視界を遮られた目元を覆うもの。
それが透のネクタイだって気付くには時間なんて要さなくて。

「ちゃんと力入れてないと、入っちゃうよ?」


耳元で囁かれた艶のある声色に。
不覚にもドキッとして、遅れた反応。
これで逃げるチャンスさえ、なくなったのだ。
もっとも、この状況で逃げる選択肢があったのかさえ疑問だけど。
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