第8章 『お仕置き』
勢いよく体を弓なりに仰け反らせた、その瞬間。
勢いよくあたしから飛び出した、生々しい残骸。
「………ぅぅ」
その事実に耐えきれなくて。
俯きながら必死で唇を噛んだ。
「ライちゃん、大丈夫。顔上げて」
目の端に浮かぶ涙に唇を寄せて、優しく囁く透を振り払うように頭を振る。
「來」
「ぃやっ、も、やだぁ。やだやだやだっ、もこれ外して、もうぃやっ」
「落ち着けよ、來」
「………っ」
「大丈夫だから」
力を入れて俯くあたしの頬へと手を伸ばし、その親指で涙を拭いながら。
「わざとだよ」
天使のように優しい微笑みを携えながら、悪魔はなおも囁き続けるんだ。
「気持ちよかった?」
「……ぇ」
「お前の思ってるような汚いもんじゃねぇから安心しろよ」
わざとらしく、あたしが濡らしちゃった掌に真っ赤な舌を覗かせて、視線はあたしへと固定されたままにそれを舐めとれば。
金縛りにでもあったように体が固まった。
「!!」
……ままでいることほんの数秒。
いきなり走った下腹部への重い衝撃に、意識が急激に引き戻された。
「な、や……っ、はぁぁんんっ」
なん、で。
急に挿入…、って……?
「やぁぁっ、ひぁっ」
いつもと違って座りながら貫かれるこの体勢は、下腹部への衝撃がダイレクトに伝わって正直苦しくて。
突かれる度に、息が詰まる。
だけど。
それでも体は、貪欲にこの快感を貪り始めるんだ。
苦しさだけじゃない、この感覚。
奥まで、指なんかじゃ比べようもないくらいの硬くて熱いもので擦られる度に。
確かに体は蜜を溢して喜ぶんだから。
「ライちゃん、こっち」
止まらない嬌声に、飲みきれずに口の端から溢れる唾液を唇で受け止め、それをコクンと喉を鳴らした、後。
透はあたしの口内へと、斗真同様硬くて熱いその塊を押し込むんだ。