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【イケメン戦国】夢心地の宵

第1章 天下人の女 【織田信長】 《R18》




雷に打たれた後、気を失った私は
目覚めたら炎に包まれた和室の中にいて。
偶然居合わせた男の人を連れ出し、訳が分からないまま無我夢中で外へ逃げたのだが。

周りには、鎧で武装した集団……
時代劇さながらの口調……

信じられない事に、火の海から救出したその人は。
歴史に詳しくなくたって皆誰もが知ってる戦国武将、織田信長だというのだ。

天正十年、燃え盛る本能寺ーーー


「貴様、天下人の女になる気はないか?」


時を越え、
私の運命はあらぬ方向へと舵を切った。





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「茅乃様、広間にて夕餉の準備が整いました。具合はどうでしょうか?」

「……。
まだ優れなくて、皆様の前に出るのはちょっと……。すみません」

「そうですか…では後ほどまた診てもらいましょう。何か体に優しい食事を用意致しますので待っていて下さいね」

「ありがとうございます」


心配そうな面持ちの三成さんを見届け、襖が閉まると同時に文机に突っ伏した。
思わず漏れる、深い深い溜め息。

ーーーあれから一週間。
未来から来たと主張する私に対し興味を抱いた信長様は、安土で暮らすようにと命じた。
織田家所縁の姫という肩書きを与えられ、
同盟を組んでいる武将達に囲まれ……
目まぐるしい展開に、未だついていけない。

この奇妙な現実から逃避したくて、
体調不良だと嘘をつき連日部屋に引きこもっていた。


「本当にあるんだなぁ、タイムスリップってやつ……」


最初は情況を把握できなくて動揺していたけれど、話を聞いたり観察しているうちにようやく理解した。
漫画や映画でしか見た事のない現象を、まさか自分が体験するなんて。

帰りたい。
でも方法が分からない。
誰か夢だと言って欲しい。
夢なら醒めてーーー。


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