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【イケメン戦国】夢心地の宵

第1章 天下人の女 【織田信長】 《R18》




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それから、取り押さえられた伊万里さんは一晩牢で過ごすことになり……
当然ながら彼女に対して重い刑を求める声が上がったのだが。
なんとか軽減して欲しいと訴えた結果、領内への立ち入り禁止令を命ずるのみの処罰に留まった。


「どうですか?痛みますか?」

「大事無い。
幾多もの戦いをくぐり抜けてきた俺にとっては、こんなもの無傷に等しいくらいだ」


騒動の後ーーー
冷静さを取り戻した私は、天主にて信長様の手当に勤しんでいた。
傷は思ったより浅かったようで、ホッと胸を撫で下ろす。


「しかし…
己に刃を向けた相手に情けを掛けるとは、とんだお人好しだな貴様は」

「確かにそうかもしれませんね。
でも……私、彼女の気持ち分かるんです。
形は違えど自分も同じような状態だったから…」

「自分“も”?」

「話をまるで聞こうともせずたくさん酷いこと言って、感情的に責め立てて…
自暴自棄になってたんです、私も」


周りが見えなくなって、相手を傷つけて……
彼女も私も、自分自身を制御できなかった。


「ごめんなさい!全部私の勘違いだったのにあんな醜態晒すなんて…見苦しかったですよね。 
本当にごめんなさい…あの時は私、…
……
………
信長様…?」


さぞ呆れているだろうと思いきや。
何故だか信長様は、口端に上げて愉しげな表情を浮かべている。


「何を謝る事がある?
あの時、俺はこの上なく歓喜に震えた」

「えっ…?」

「激しい嫉妬の感情ーーーつまりそれだけ俺に惚れている証だからな」



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