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【イケメン戦国】夢心地の宵

第1章 天下人の女 【織田信長】 《R18》




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「それにしてもまさか信長様と茅乃が共謀するなんて。あんなに我武者羅に走ったのは久し振りだった」

「あれには事情がありまして…なんか色々すみませ……
……ぷっ」


ーーー後日、自室にて。
所用のついでに訪れた秀吉さんと茶の湯を嗜んでいた最中。
例の話題を振られた途端、あの時の情景が頭に浮かび思わず笑いをこぼした。


「なーに思い出し笑いしてんだ。こちとら大変だったんだぞー。結局は撒かれちまったがな」

「凄かったです、秀吉さんの全力疾走。…っく、あははっ」

「おいおい笑い過ぎだろ〜。まったく…
でもまぁ…最近の茅乃はずいぶん表情が明るくなって巣籠もりする事も無くなったし、喜ばしい限りだ」


うんうんと頷き、私を見守るその眼差しはとても優しくて。
これまで心配をかけてしまった申し訳なさと同時に、自分を気に掛けてくれる存在の有り難みをひしひしと実感する。

秀吉さんの言う通り、あれからというもの
塞ぎ込んでいた心に変化が表れた。
城内や庭園を散策したり自ら人に話し掛けるなど、少しずつ行動的になっていって。
もっと様々な事柄や物に触れてみたい、外の世界を見てみたい、と。徐々に前向きな意識が芽生え始めたのだ。

何が自分をそうさせたのかーーー
きっかけはきっと、あの人。
あの人と感じた風の心地良さが、抱えていた鬱屈を吹き飛ばしてくれたような……
そんな気がして。

そう刻まれた記憶に思い耽っていると突如、何の前触れもなく開いた襖の奥に現れたのは蘭丸さんだった。


「談話中、ちょっとお邪魔しまーす」


ずんずんと室内に足を踏み入れるや否や。
両脇に抱えた沢山の荷物を部屋に運び入れ、なにやら準備をしている。
何枚ものきらびやかな着物、化粧道具にアクセサリー……


「蘭丸さん、一体どうし…」

「支度を手伝ってあげようと思ってさ。
大丈夫、俺の手にかかれば間違いなし!
可愛く仕上げてあげるねっ」
    

首を傾げてにっこりと、無邪気な微笑み。
聞けば、どうやら私は今日、信長様と二人きりで城外へ出掛ける予定らしい。

それって……
ひょっとして……
デートって事?

っていうか……
急すぎるよ〜〜〜!!


蘭丸さんを介して伝えられた半ば強引なデート決行のお報せに、私はパニックに陥っていた。



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