第8章 ゆびきりげんまん。
真っ赤に染まる夕焼けの中に
笑顔のお前が小指を差し出す。
「これからもずーっと一緒だよ?はい!ゆびきりげんまん!」
寝そべっている体を起こすのが
面倒くさくて、
俺は腕を伸ばして小指を立てた。
「ん。」
お前のか細い小指が
俺の小指に絡まった。
「100歳まで一緒!ゆびきりげーんまんっ!」
上下にブンブンと振られて、
お前は満足げに笑って
その指を離した。
その笑顔が可愛くて
思わず溜息が出る。
「あー!今溜息ついたー!面倒くさいとか思ったんでしょ!」
お前が頬を膨らませ、
俺の顔を覗き込む。
「あー、お前は面倒くせぇーよ。」
俺がそう答えると、
お前は俺の頭をポカポカと叩いた。
二人の笑い声が
夕焼けに照らされた屋上に響き渡る。
あぁ。こんな時間が本当に
永遠に続けばよかったのに…。