第6章 青春ギター少年。
私はこの高校三年間全てをベースに捧げて来た。
『ベースって地味だよね。』とか
『ギターとどう違うの?』とか
『本当に必要なの?』とか
割と言われがちだけど、
私はベースが大好きだった。
縁の下の力持ち。
ベースがないと曲が成り立たないのだ。
「うっしゃ。」
私は重たいベースを担ぎ上げ、
部室へと向かった。
私は3年。
今月ある文化祭のステージで
軽音部を引退する事になる。
それに向けて今はバンドメンバーと猛練習中だ。
今日はHRが終わると
すぐさま部室へと向かった。
私が一番乗りかと思っていると、
部室から微かにギターの音色が聞こえる。
聞き慣れない音色。
誰が弾いているんだろう…?