第3章 ヲタク男子。
「あ、あのさ。如月。昨日はありがとう。」
宮地くんはいつもよりソワソワしていた。
「は、はい。すいません。今まで隠してて。」
私は頭を下げた。
「い、いや。いいんだ…その…俺さ、お前に言いたい事あったんだ。」
「…何でしょう?」
「あのさ、今のタイミングで言ったって信じてもらえないかもしれないけど…俺さ…」
宮地くんはうつむいていた。
「…?」
「如月の事好きなんだ。」
「…はい。知ってます。いつもファンだと言ってくれてましたから。」
「いや、そうじゃなくて、りんりんが好きなんじゃなくて、如月が好きなんだ。」
頭が混乱した。
「…へ?」
「勿論、りんりんも好きだ。けど、俺、ずっと如月の事好きだったんだ。如月はすっげぇダサぃけど、すげぇ良い奴で一緒に居るとすげぇ落ち着くし…。」
「ま、待ってください。このビン底眼鏡のださぃ私が好きなんですか?」
私は思わず聞き返した。
「そうだよ!バカっ!何度も言わせるな!轢き殺すぞ!///」
胸がキュンとなって、
喉から出る言葉を止めることが出来なかった。
「私もっ…宮地くんの事っ…」
「わぁぁぁぁ!!!!ストーップ!」
宮地くんは私の口を手で塞いだ。
「っほへ!?」
「バ、バカッ!恋愛禁止だろ!?お前は好きだけど、今、りんりんにアイドルやめてほしくはないんだ…。だから、それ以上は言うな。///」
宮地くんはうつむいてそう言った。
「…はいっ!あなたの期待に応えられるような立派なアイドルになります!」
私は笑顔でそう言った。
「…おう!応援してるぜ!如月!」
恋は実らなかった。
でも、これはこれで
幸せなのかもしれない。
"恋愛は禁止"でも
"片思いはOK"
だから私は彼に片思い中。
=fin=