第2章 楓。
周りを見渡すと少し葉が色づきはじめて
すっかり秋を感じさせる。
今日は木吉のお見舞いに行って来た。
その帰りの出来事だった。
俺は病院の広場のベンチから見える
『ドライブスルーこちらから☆』
そう書かれたピカピカと点滅する看板を見つめていた。
「…ドライブスルー…。」
俺は考えた。
「っは!!!」
そして閃いたのだった!
「ドライブスルーまでドライブするー?」
傑作だ!過去この上ないぐらい
傑作だ!!!
俺はすぐにネタ帳に書き込むためにカバンを漁った。
「…っふふふ。」
どこからともなく堪えきれない笑い声が聞こえてくる。
俺は周りを見回した。
隣のベンチに座る女の子と目があった。
思わず息を飲んだ。
びっくりするぐらい色が白くて、
びっくりするぐらい綺麗だった。
彼女は俺に会釈をした。
俺もすかさず会釈をし返した。