第4章 エピローグ
「気をつけてくださいね。また変な男に引っかからないでくださいよ」
「だから大丈夫だって! 私の強さ、知ってるでしょ? ってトランクスに言うのも変か、あはは」
「そういう意味じゃなくて、ですね……」
「え?」
「さんキレイだから心配なんですよ!!」
「へ?」
その真っ赤になった顔を見て、私は目が点になる。
でも徐々に恥かしさがこみ上げてきて、
「それ、トランクスに言われたくない!!」
思わずそう叫んでいた。
キレイという言葉は彼にこそ相応しい。外見も、そして心の中も。
でも彼にはその意味がわからなかったようだ。
「え? それってどういう……」
まだ赤い顔のまま目をぱちくりさせている彼に少し笑ってしまってから、私は首を振った。
「ううん! ありがとう、嬉しい。……ホント、色々とありがとう」
私は右手を差し出す。すると彼はすぐにその手を握ってくれた。
……その手の温もりを、もっと感じていたかったけれど……。
「じゃぁ、もう行くね」
「はい。……お元気で」
「うん。ブルマさんにもありがとうって伝えてね」
離した手をゆっくりと振って、私はトランクスに背を向け歩き出した。
――長く居れば居るほど、ここから離れたくないと思ってしまいそうだった。