第1章 前編
私は人造人間に家族を殺された。
悔しくて、悔しくて、いつか自分の手で仇を取ろうとあの日決めた。
そのためだけに、これまで生きてきた。
それなのに、
「金色に戦士の手によって、人造人間達は破壊されました。世界に平和が戻りました!!」
世界の皆が歓喜にうち震えたであろうこのラジオ放送を聞いて、私は絶望した。
そして気付いた。
仇である人造人間達の存在は、私にとって生きるための唯一の支えになっていたのだと。
支えを無くしてしまった私は、途端どうすればいいかわからなくなった。
何のために生きているのかわからなくなってしまった。
そして、単純な作りの脳は考える。
なら、私が金色の戦士を倒せば、人造人間を倒したことにならないだろうかと。
その日から、私はずっと金色の戦士を探している。
その人物を、倒すために――。