第3章 第二夜 気になる男の子
その男の子は少し小柄で
2週間前にこの道場に内弟子として
入ってきた、私より一つ下の沖田総司君。
内弟子と言っても彼の場合
ほとんどが女中の仕事と変わらない。
彼も家の事情でこの道場に来たらしい。
「あなた、沖田くんだよね。」
「・・・・・そうですが
僕に何かようですか?」
「何か用というか・・・・・
さっきご飯をこぼされてたから
食べ物他に何かあるの?」
「・・・・・わかりません・・・・・
それよりも・・・・・
この道場にいるのでしたら
僕に関わらない方が身のためですよ。」
「どうして???」
「・・・・・・・・・・」
「それは、私も同じだよ!
私もここの人達にはあまり良く思われていないみたいだし。」
「・・・・・貴方と同じにされても迷惑です。
僕はそろそろ失礼します。」
「あっ!!またね!!」
沖田君が出ていった方を見つめていた…
昔からお節介の私は
沖田くんが嫌がっていたのは分かったが
どうしても弟と重なって見えてしまうのであった。