第10章 工業の街
「ゔえぇっ!げっほげっほ!」
「おい大丈夫かヒナタ。そんな咳したら、喉やられるぞ」
「ゔぃっす」
馬車を駐在所に置いて、街を歩く。
イワイズミさんにおんぶされている俺は、煙を吸いやすい。
「……あれ?」
「ケンマ?どうしたの?」
急に足を止めたケンマが辺りをキョロキョロと見回す。
「アオネは?」
言われてみると、いない。
「アオネさん!?まさか迷子!?」
「お前じゃねぇから大丈夫だろ。先に宿探す」
俺の心配を他所に、イワイズミさんは進んでいく。
カゲヤマもケンマも異議はないようだ。
アオネさん、どこ行っちゃったの?