第1章 悲しい過去
今日は俺の7歳の誕生日。
母さんは腕によりをかけてご馳走を作ってくれた。なかなか手に入らない七面鳥を焼いてくれたが、俺はほぼ毎朝食べてる卵かけご飯が一番だ。
妹のナツは部屋を飾り付けしてくれた。幼い彼女なりの豪華な飾りは何よりも嬉しい。この稚拙な飾りがこれからどう進化していくのか、今から想像が膨らむ。
父さんはいつもより早く仕事から帰ってきて、いつもは一緒に食べれない夕食を一緒に食べた。夕食後は俺に木刀をくれた。重くてまだ振れないけど、いつか一人前の男になる為に毎日持ち続けたい。
家族4人で団欒の時間を過ごす。俺にとってこの上ない幸せな時間で、一生大切にしたい宝物だ。
でも俺のその小さな願いは、次の日の晩に全て奪われる。