【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第6章 小さな名探偵
漸く落ち着いた女性達とは真逆にものすごい疲労感を感じている俺と零。
さすがにずっと立ったままというわけにもいかないので奥の窓際の席へと案内されて女子高生二人と向かい合うよう座り、正直疲れすぎて今すぐにでも帰りたいのだが目の前でニコニコと楽しそうにする二人に仕方ないかと諦めてメニュー表を眺める。
「何しよっかな…。あ、私はこの日替わりケーキセットで!蒼井さんも好きなの頼んでくれていいからね!」
『ははは、ありがとな。…んじゃ俺は…やっぱハムサンドとアイスコーヒーで』
「私は…うん、私も園子と同じでお願いします!」
「かしこまりました。では少々お待ちくださいね」
女子高生に奢られる気は最初からないので園子ちゃんの有り難い言葉に曖昧に笑んで返し、三人とも注文が決まればさっそく準備にとりかかりに行く零の後ろ姿を見送った。
料理が運ばれてくる間二人の話や俺自身の話を答えれる範囲内で話して時間を潰していると、再びお客が来店してきた音が聞こえ何となく視線を扉へ向けると小学生だろうランドセルを背負った眼鏡をかけた少年の姿が見え、その少年もそれに気づいたのか分からないが「蘭姉ちゃん!」と笑顔を浮かべて呼ぶ様に蘭ちゃんの弟かと一人納得する。
「コナン君!」
『コナン?』
「あの子、今蘭の家でお世話になってるんですよ!」
『へー……』
お世話になってるということは本当の姉弟ではないってことなのだろう。園子ちゃんの話になるほどと頷きつつ、子供の名前にコナンと名付ける親は相当なシャーロキアンなのかとちょっとした興味をもった。
「園子姉ちゃんと一緒だったんだね!…ところでこっちのお兄さんは?」
「実はポアロに来る途中に園子が引ったくりにあっちゃって…。その犯人を捕まえてくれたのがこの人、蒼井さんなんだよ」
「へー、お兄さんすごいんだね!!あ、僕江戸川コナンです!よろしくね!」
『別にすごくはねえけど…俺は蒼井悠。ま、よろしくな』
小学生にしてはどこか大人びたようなそんな不思議な雰囲気をもつ眼鏡の少年、名前は江戸川コナンというらしいが…本当にすげえ名前つけたもんだ。