【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第19章 臨時です
『…………ご注文は?』
「悠さん、笑顔だよ笑顔」
目の前で楽しそうな顔をするコナンに思わず引き攣った笑みを浮かべてしまい、これは仕事なのだと自身に言い聞かせて一つ咳払いをしてからなんとか笑顔を作って再度注文を伺うことにする。
『ご注文はお決まりでしょうか?(さっさと食って帰れよな)』
「えっと…それじゃ私は今日限定のケーキと紅茶にします!」
「僕はオレンジジュースでいいよ!(絶対嫌だ)」
目で会話する俺とコナンをよそに注文したケーキを早く食べたいなと楽しみにしている蘭ちゃんに毒気が抜かれ、今日はとんだ災難だなと心の中で愚痴を溢しつつ二人が頼んだメニューを注文票にしっかり書く。
『…少々お待ちください』
そう告げて一旦その場を離れカウンター内へと入り、腕の怪我など微塵も感じさせないほどテキパキと料理を完成させていく零に無茶するなと言ったばかりなんだがなと苦笑いを浮かべつつ先ほどコナン達が頼んだ注文を読み上げる。
「分かりました。あ、ミートスパゲッティがもう出来上がるのでお願いします。それと、アイスコーヒーとミックスジュースも」
『…りょーかい。…腕、大丈夫か?次無茶して傷が開こうもんなら無理矢理にでも止めるからな』
「ふふっ、大丈夫ですよ。ご心配ありがとうございますね」
心配する俺をよそに嬉しそうに笑顔で答える零を見てしまっては無理矢理に止めることが不可能だということを悟り小さな溜息を吐き、出来上がった料理をトレーに乗せて客席へと運んでいく。