【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第4章 沖矢昴という男
必要な食材をカゴに入れ終ようやくこれで帰れるなと思いながら会計しにレジへ向かい、隣に立つ相手を横目にさっさと済ませようとレジに並ぶ人の列の最後尾に立つ。
『会ったばっかの俺の買い物に付き合わせちまって悪い。でもすげえ助かったぜ、ありがとな』
「いえいえ、お役に立てたみたいでなによりです」
『何か礼をしたいとこなんだが…』
「そんな大したことをしたわけではないのでお礼など……あ、いえ……でしたら1つお願いがあるのですが、いいでしょうか?」
『?ああ、いいぜ。俺に出来ることならな』
「貴方にしかできないこと、ですよ。是非僕のことを昴と呼んでくださいませんか?」
『え…そんなことでいいのか?』
「はい。…それで、僕も悠さんと呼ばさせていただけたらと」
『まあ…沖、じゃなかった。昴がそれでいいってんならそうするし、そっちも好きなように呼んでくれて構わねえよ』
「ありがとうございます。あ、もしよければこの後…」
お互いに会計を無事に済ませてカゴの中の食材等を袋の中に入れながら今回付き合わせてしまったことの謝罪と感謝を述べ、あまり深く関わらないほうがいいと思うもののさすがにお礼をしないのは人としてどうかと考え何か自分に出来ることはないだろうかと思案しているとお願いがあるとの言葉に首を傾げ、内容にもよるのだがとりあえずと聞き返せばあまりにも簡単なそれに一瞬呆気にとられてしまい。
まあ下の名前で呼ぶぐらいならどってことないだろうと判断して了承の意を告げると僅かに緩む口元にこんな表情も出来るんだなとすこし意外そうに感じてから買い物袋を片手に持つなか、沖矢が更に何かを言いかけた瞬間聞こえてきた振動音にポケットから携帯を取り出し、視線で悪いなと告げてから電話に出る。
『ああ。…ん?そうなのか?…了解。必要な物は買っておいたからよ。…おう、分かった。じゃあまた後で』
「…どうやら今日はここまでのようですね。あ、コレ僕の連絡先です。良ければ連絡ください。…それではまた」
『?おう、サンキュ。まあそのうち機会があれば連絡させてもらうな』
先ほど言いかけた言葉を続けることなく連絡先が書かれたメモを差し出してきた昴が一足先にスーパーを後にするのを見送ってから自分も帰ることにした。