【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第19章 臨時です
「ね、ねえ…蘭姉ちゃん…ポアロ前の行列って何なんだろ…」
学校帰りに偶然一緒になった蘭と帰宅していると視界に入った喫茶店ポアロ、ではなくその前に並ぶ女子高生の列に一体何事だと思いながら呟く俺と同じように驚きを露にする蘭に彼女も知らないようで、本当に何があったのかと初めて目の当たりにする光景に恐る恐る窓ガラス越しに中を覗き込んだ。
『お待たせしました。カフェオレとケーキセットになります』
…え…?…悠…さん?
中の状況を伺うと何故かエプロンをかけて爽やかな笑みを浮かべ接客している悠さんの姿。
いやいや、本当何やってんの!?
「え…蒼井さん!?な、何で!?」
「ぼ、僕も何が何だかサッパリだよ…(もしかしなくても、この長蛇の列って)」
「あれ?蘭ちゃんにコナン君!」
蘭と二人で頭上にハテナマークを浮かべていると自分達を呼ぶ声に顔を向け、買い出しに行っていたのか買い物袋を手に持って立っている梓さんの登場にナイスタイミングだと駆け寄る。
「あの!何で蒼井さんがポアロで?」
「?あーそれね!実は安室さんが探偵業で怪我をしちゃったらしくて…。途中までは頑張ってくれてたんだけどさすがに無理がきちゃったみたい。そんな時にたまたま食事しにきた蒼井さんに何とか今日だけでもお手伝いしてもらえないかって頼んだの!」
手伝ってくれることになった彼と安室さんとのダブルイケメンに気が付けば女子高生が集まってしまったということかと梓さんの話を聞いて漸く謎が解けたと納得したが、それにしてもこの列の凄さといったらどうだ。テーマパークの人気ある乗り物でもあるまいし、二人のイケメンがどれほどの効果を発揮しているのかものすごく気になってしまう。
「もしこの後時間あるなら寄って行く?今ならカウンター席でよければ空いてるし!常連客ってことで特別に案内してあげる!」
そんな梓さんの提案に乗らないわけもなく蘭と同時に頷き店内に入ると、その異様な空間に言葉を失う。
「(どこもかしこも女子ばっかじゃねえか…)」
座席も唯一空いているカウンター席も二人分以外は全て女子高生とOLなのだろう女性ばかり。これだけよくもまぁ集まったものだなと店内を見渡してから案内されたカウンター席へと蘭と共に並んで座ることにする。