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【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】

第17章 悪夢の時間


風見に任せてからある人物へと連絡をとり、要件を言えば二つ返事で了承してくれたことにホッと胸を撫でおろす。


「まさか君から頼み事をされるとは思ってもみなかったが、悪くないものだな」



『…悪いな、急に。今回ばかりは俺一人じゃどうにもならなくてよ…』



「…前々から思っていることだが…彼が羨ましい。君にここまでさせる彼の事が…」



『?何言ってんだ。これがもし秀一だったとしても同じ事をするに決まってんだろ』



「ふっ…そんな君だからこそ彼も、俺も……いや、こんな話をしてる場合じゃなかったな。それで?作戦はあるのか?」


呼び出した場所に来た男、FBI捜査官である赤井秀一。零と連絡がとれなくなって数時間経ったことを踏まえると最初は最悪の事態が脳裏に過るも、零の携帯のGPSがまだ作動しているということはおそらくまだ生きている。となれば組織の連中にノックだと疑われて捕まっていると推測でき、それを電話で秀一に伝えれば彼も同意見だとのことで希望が見えたことに安堵の息を吐く。


「…なるほど。現状それしかなさそうだな。では囮は…『俺がやる。…10秒くれ。それだけあれば何とかなるだろ』…了解。…悠…無茶だけはするなよ?今回…奴も動いている可能性があるからな」



『…分かってる。それじゃ…頼んだぜ、秀一』


作戦といっても至ってシンプルなもので、離れた場所から秀一がライフルで内部に居る組織連中の注意を逸らし、その隙に俺がピッキングで扉を開け放って逃げたとみせかける。現状この短時間で出来ることなど限られているが失敗は絶対に許されない、そう自身にしっかりと言い聞かせて準備を始める。


『……(いつでもいい)…』



「……(了解)…」


声を出すわけにはいかないのでアイコンタクトと手の動きで互いに指示を出し合い、秀一がライフルを構えて撃ったのが分かれば扉をピッキングで開け放ってすぐさまその場を離れ、どれぐらい走ったのか背後から追いかけて来る気配が感じられないことに気付くと漸く足を止めた。


『…は、っ…久しぶりに全速力で走ったぜ……。…もしもし、秀一か。…ああ…っ!!そうか…分かった。…ありがとな…』


乱れた呼吸を整えながら震える携帯に着信かと手に取り、零は無事だということ良かったと安堵して張りつめていた緊張の糸が解けていくのを感じた。
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