【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第17章 悪夢の時間
「そこまでだ。机から離れて手を上げろ。お前達の動きはお見通しだ」
ノックリスト含めた極秘情報が保管されているサーバーの前に立つ一人の女。
画面上に次々出てくる潜入捜査官の名前を瞬時に記憶していたが既にバレていたようで、言われた通りに両手を上げるがその表情には不敵な笑みをうかべていた。
「ぐぅ!」
形勢逆転というかのように捜査官を次々倒し一目散に走り始めたまではよかった。
壁の角から出てきた一人の男の登場に少し驚くもすぐに戦闘態勢に入り攻撃をしかけ、それを交わす男…降谷との攻防を繰り返していれば拳を防いだ瞬間に外れるコンタクト。
不気味に笑いを溢す女の顔が月明りに照らされハッキリと分かると瞳の色に降谷の目が見開かれる。
「フフフフフ、ははははッ!!」
「その目は…まさかッ!?」
「降谷さん!ずれて!!…動くなッ!」
目の前の女から視線を逸らさずにいるなか先ほど女にしてやられてしまった捜査官、風見が後を追いかけて来るなり拳銃を構え女を狙うが背後の窓を突き破って飛び降りるという思わぬ行動に出た女に驚く。
そしてそのまま通りかかった車を奪い逃走。しかしそれを予想していたのか1つの赤い車が女が乗った車の後を追い、さらに先ほど攻防戦を交わしていた降谷もまた自身の車に乗って後を追った。
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『逃げられた?風見…お前が居ながらとんだ失態だな』
「っ……申し訳ありませんッ…」
ノックリストが狙われているという情報を掴んでいながらそれを奪われただけでなく犯人を逃がしてしまったこと、謝罪だけで済む話ではないのだ。幼馴染の事だけではなく世界中が大混乱に陥ってしまう。それだけは何としてでも阻止しなければ。
『謝罪はいい。とにかく今はノックリストの奪還、逃亡犯の確保が最優先だ。…次はないぞ』
「…っ!はいッ!」
俺の言葉に気持ちを切り替えた風見を見て取り合えずは一安心するものの、正直内心かなり焦っている。盗まれたノックリストには零の情報も入っているのだから。
『(っ…どうするッ。考えろ…っ…何か手は……!?)…風見、悪いが俺は少し此処を離れる。何か情報が入ればすぐに連絡しろ』
「…分かりました。…蒼井さんッ、降谷さんを…『分かってる。アイツは絶対死なせねえ』…っ…はい!」
死なせて…たまるかッ!