第15章 許容範囲 *今吉*
私の彼氏は関西弁。
そして私は関東生まれ。
今吉「せやからそんなんちゃうって!」
「え、じゃあ、おおきに?」
ただいま、関西版ありがとうの練習中。
なんでも京都と大阪ではイントネーションが違うらしい。
今吉「惜しいけどちゃうなぁ...」
「はぁ、もうどうでもよくなってきたわ(笑)」
今吉「自分が言うたんやろ」
翔一といる時間はすごく楽しい。
だからいつも部活に行く前は、一応引き止める。
「もう行くの?」
今吉「なんか感情こもってへんなぁ」
「いや、言わなきゃ寂しいかなって」
今吉「思ってへんのやったら言わんでええよ」
「少しは思ってるよ。」
なんやそれ。と言って翔一は教室を出て行った。
ふむ。さっきまで楽しかったから今日はやけに心細い。
たまには部活終わるの待ってよっかな!
スマホを取り出して時間を経つのを待つ。
.... 電池ないじゃん。
これは暇すぎる。誰もいない教室で話す人もいない。
翔一の部活覗いてみるか!