第13章 頼ってくれよ*火神*
ソファで寝かせるのも良くないと思って自室のベットまで運ぶ。
こんな状況になった事は今まで何度もあるから手馴れた感じで寝かせてやる。
最初は慎重になりすぎて、腰を痛めたこともある。
掛け布団をかぶせて、の寝顔を見る。
涙の後が少し残ってんな...。
よっぽど溜め込んでたんだな。
お疲れ様と呟いてそっとおでこにキスを落とした。
翌朝。
「ん~...おはよう大我...」
目をこすりながら起きてきた。
この顔は割と好きだ。
なんか特別な感じがする。
火神「はよ。朝ごはんできてんぞ」
「ありがとう」
火神「体の具合は?」
「いつもより大分マシ。大我のおかげだね!」
半分呆れたように笑う。
俺がいなかったら今頃すげー事になってたんだろうな。
次は知らねーぞと忠告をしてイスに座る。
「パンに目玉焼き、やっぱ大我ん家の朝ごはんはこれだね!」
火神「簡単だしな。早く食えよ。仕事は?」
「今日は10時から~だからゆっくりできる」
火神「じゃあ俺学校行くけど、あんまりぐうたらし過ぎんなよ。遅刻すんぞ」
「わかってるよ!大我お母さんみたい」
んな事言われても嬉しくねー。
こいつの中での俺の立ち位置はどうなってんだ。
そんな事を話していると、あっと言う間に家を出る時間。
火神「じゃあな、家の鍵ちゃんと閉めて行けよ。あんまだらけるんじゃねーぞ!」
「それ言うの2回目!わかってるよ、いってらっしやい」
火神「じゃな」
「あ、待って!忘れ物!」
忘れ物?なんかあったか?
火神「なにを....」
振り返ろうとした時に、頬に柔らかい感触。
火神「!!」
「昨日のお礼!じゃ、いってらっしゃい!」
そう言ってリビングに向かっていく。
どんだけ俺が背伸びしても、やっぱりあいつは俺の上をいくんだな。
end