第1章 傍にいる*今吉*
今日は今吉さんが帰ってくる日。
新婚生活一年も過ぎたけど、今吉さんは仕事上、出張が多くてあまり一緒にいられていない。
今吉さんとは私が就職してから出会った。
働いているレストランの常連さんで、ひょんな事から話すようになり、意気投合し付き合うようになった。
年は3つ離れているけど、それを感じさせない今吉さんが大好き。
なんて、過去を振り返っていると玄関のドアが開く音がした。
ガチャ
今吉「ただいま~」
「!おかえりなさい!」
急いで玄関に向かう。やっと帰ってきた愛しい人を迎えに。
今吉「はー疲れたわ!今回の仕事はきつーてもう!」
盛大なため息をひとつ。
「お疲れ様。お風呂湧いてますよ!あ、ご飯もできてますけど、どっちにします?」
そう尋ねると、迷っているのか何かを考えているような顔をした。
「どうしました?」
今吉「それよりも、おかえりなさいのちゅーとか、せんの?」
少しニヤつきながら私を見た。
「な、なにを!今吉さん!からかわないでください!」
今吉「ええやん、新婚なんやし。それに翔一って呼べ言うてるやろ?」
何も言えないでいると、「はよぉ」と急かされたので軽く背伸びをして優しくキスをした。
今吉「かお、真っ赤やで?」
「もう!それよりどっちにするか教えてください!」
今吉「ほんなら風呂入るわ。久々にゆっくりしたいし」
わかりました、と返事をしてから荷物を預かって私はリビングにむかった。