第3章 お菓子より甘いもの*紫原*
私には好きな人がいる。
それは同じ高校にいる、紫原 淳。
背がすば抜けて高く、圧倒される威圧感。しかしその見た目とは裏腹に、お菓子が大好きという可愛い一面もある。
そんな彼に心惹かれるようになったのは中学時代から。
元マネージャーという事からお互い面識もあるし、仲はいいほうだ。
紫原「あ、ち~ん。お菓子ちょ~だい」
ふにゃっとした笑顔を向けながら、近づいてくる彼を見て少し胸が高鳴る。
「持ってるよ!」
紫原「やった!」
お菓子を持っているとわかると、足早に私のところまでやってくる。
ポケットからハイチュウを取り出して、手渡すと嬉しそうに笑ってくれた。
紫原「ありがと~ちん」
こんな些細な会話が私にとっては幸せな時間。
昔と違って私は部活をしていないし、紫原くんとクラスも違う。
こういう時間がもっと増えればいいのに...。