第20章 ご褒美*赤司*
「春と言えばお花見だよね!!征ちゃんと行きたいなぁ...」
赤司「そうだね」
「春休みは少ないけどいっぱい遊びに行きたいね!」
赤司「部活があるからそれは難しいけど、のために頑張るよ」
「征ちゃん...!!」
赤司「...抱きつくのはいいけど、さっきから勉強が進んでいないね。このテストで赤点とると、遊べなくなるぞ」
「あぅ...」
ただいま私の家でテスト勉強中。
前回のテストで気を抜きすぎて、赤点まみれになってしまった私は今回やらないとほんとにヤバイ。
「せっかく征ちゃんといるのにな...」
赤司「今日は目的が違うだろ?テストが終わらない限り、俺は甘やかさないよ」
「ケチ!」
そう言うと少し微笑んだ征ちゃん。
これだけでも私の心は満たされる。
単純なのは自分でもわかってます。
しぶしぶ勉強を開始した...けど。なにこれ意味不明...。
「征ちゃん古文が...訳わかんない」
赤司「どれ?」
征ちゃんは向かい合っていた身体を机にかるく乗り出して、置いてあった教科書に目を落とした。
ふ、伏せ目も素敵...。
赤司「ん?」
やば。目が合った。
素敵だなんて思ってないですよー..。
赤司「ふぅ...」
「ごめんなさい...ほんとにわからなかったんです...」
赤司「クスッ、わかってるさ。じゃあ...」
ゆっくりと上を見ると間近に征ちゃんの顔。
恥ずかしくて目をつむると、おでこに柔らかい感触。
赤司「これで、頑張れるかい?」
「ふぁい.. 」
そんなことをされたら、頑張るどころか集中できないよ。